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2013年8月24日 (土)

『ザ・フー:アメイジング・ジャーニー』

そのぶっこわすThe Whoのヒストリーをまとめた映画を見た。hulu ありがと。

実は、ピート・タウンゼントとロジャー・ダルトリーの馬面が好きじゃなくて、モンタレーの衝撃の後も、あまりのめりこむことなく聞いて来た感じなのだけど、ロックを聞き始めた頃は、丁度『トミー』の映画が公開されて、エルトン・ジョンの『ピンボールの魔術師』がヒットしたりしていた。少しして出た『Who Are You』は評判こそそこそこだったけど、一応現役ばりばりの感じではあった。ただ、小野洋子と別居中のジョン・レノン、リンゴ・スター、ニルソンなんかと飲み歩いているニュースは音楽雑誌にも出ていて、なんとなく破滅的な人生を送っているような感じだったキース・ムーンが78年に死んだ時には、もうバンドは解散すると思ったものだ。リズム音痴が言うことなので無視してもらえばいいのだけど、当時、僕の中ではキース・ムーンこそベスト・ロック・ドラマーで、次いでジョン・ボーナム、あとはいっしょみたいな感じだったのだ。代わりはいないんじゃないかと生意気にも思った。後に、ケニー・ジョーンズが加入してツアーを行っているのを知った時には、バンドがビジネスのために妥協したように思ったものだ。それからしばらくは関心ないままで、随分たって80年代になってから『Face Dances』を聞いたときには、そんなに悪くないじゃんと思ったりしたものの、それきりの感じ。実際、The Who自体、キース抜きではどうも盛り上がらない感じだったみたいなのは、このビデオでもわかる。ジミ・ヘンドリクスの演奏はリミッターを外した感じと書いたけど、キース・ムーンがまさにそうなのだ。でも、実はいちばんよく聞いたフーのアルバムは、ケニージョーンズがドラムを叩いている『Who’s Last』というライブだったりする。今調べたら、AMGの評価はよくないけど、こんなもの信用するな。これはThe Who入門としてもいいアルバムだと思う。

この映画は、2007年公開で、ベーシストのジョン・エントウィスルの死後の公開なので、彼の死後のこされた二人の絆がよりつよくなったみたいなところで終わるのだが、インタビューに答えるロジャー・ダルトリーがとてもいい顔をしている。ロバート・プラントは、若いときのきれいな顔からは想像もつかない人相になってしまったけど、ロジャーはなんだかとてもナチュラルな歳の取り方をしている気がする。The Whoの曲はほとんどピート・タウンゼントが書いているし、サウンドもピートのギターによるところが大きいと思うのだけど、ピート本人はどうも好きになれないのだが、実はギターのスタイルも曲もぜんぜん嫌いじゃなかったりする。でも一方で、どこか突き抜けた魅力みたいのは薄くて、そういえばフーもあったな、という感じの立ち位置にいるバンドだと思う。ビートルスみたいに強烈に耳に焼き付くメロディやコード進行とかとは無縁だけど、ギターのリフやバンド全体のバランスなんかは今のイギリスのバンドに結構おおきな影響与えている。というよりも、ビートルズやストーンズはもとよりレッド・ツェッペリンにもなれないバンドもザ・フーにはなれそうな気がする面がきっとあるはず。

アメリカの犯罪ドラマ、CSIのテーマ曲で使われたりしているように、今は、なんとなくアメリカの知識層にも受け入れやすい(元々、ピートの文学趣味もあるし)面があって、デッドもフーもなんとなくロックの「スピリット」のいけるところまでいった形として結局ジミヘンの言う体制に回収されるところまでいって終わった感じがある。ストーンズみたいに、自分自身が体制そのものみたいなバンドは例外だ。そう、これは終わったストーリーだ。懐古趣味のロックじじい以外にはあまり見られることもないだろう。でも、僕にとっては、イギリスの三大バンドのひとつ。あのロック・オペラは退屈だけど。もともとオペラ嫌いだし。ただ、ロック・ギター始めるならピートのコピーから始めるのが手っ取り早い。僕はやってないけど、これは確かだと思う。時代時代の演奏シーンも多い。ロックキッズは こういうのもたまには見てみたらいいと思う。


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